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ドキュメンタリー映画「ラ・デット/負債」上映会&監督トークセッションのご案内

岡山大学文学部では、文学部プロジェクト研究「映像表現と人文学」の共催で、映画上映会と監督トークセッションを開催します。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

ドキュメンタリー映画上映会& 監督トークセッション
 「ラ・デット/負債―地獄の連鎖を断ち切るために」( 日本語字幕)

日時:2017年7月1日(土) 14:00-16:00(13時半開場)
場所:岡山大学津島キャンパス文法経1 号館2 階会議室
監督トーク:ロール・デルサル(日本語通訳付き)
コメンテーター:松村圭一郎(岡山大学文学部)

※入場無料・申込不要

<映画「ラ・デット/負債」について>
「借金をすること」は現代に生きる人々にとって重要な生活手段となっている。
家や車の購入も学費の支払いも、負債のシステムなしでは暮らしは成り立たない。
国の場合でも、国債の発行は公共事業や社会保障を確保するのに欠かせない。
 しかし、国や社会は負債に依存し過ぎではないだろうか? 際限なく負債が積み上
がり続けることに対し、私たちの感覚は麻痺してはいないだろうか? 各国の国債の
規模は膨らみ続け、2007 年の金融危機がさらに拍車をかけた。その際、多くの大手
銀行が国の支援によって救われたが、問題の核心は解決されなかった。2009 年に
発覚したギリシャ債務の虚偽報告をきっかけに、債務問題は「ユーロ危機」として
欧州全体に波及した。そして、EU 政治は混迷を極めた。
 このドキュメンタリー映画は現代の社会経済にとって不可欠となった債務の問題を
その根本から問い直す。デルサル監督は欧州を駆け巡り、さまざまな専門家にイン
タビューを試みた。人類学者のデヴィッド・グレーバー、仏国民議会議員のカリーヌ
・ベルジェ、ロンドンの政治経済学者アン・ペティフォー、フランスの経済学者ベル
ナール・マリスとトマ・ピケティ。「貨幣の私有化」を強く批判するマリスは、2015
年1 月のシャルリー・エブド襲撃事件で命を落とした人物だ。
 債務の問題は現代世界が直面している様々な現象 ̶̶「ポピュリズム」の広がりや
極右政党の台頭、富裕層と庶民の間で深刻化する経済格差 ̶̶ とも無関係ではない。
 「経済学者のゲーム」のルールは、私たちが気付かないうちに日常生活の中に浸透
した。私たちは、巨大な「経済マシーン」から果たして解放されうるのだろうか?

La dette, une spirale infernale ? 2015 年
 フランス, 監督 : ロール・デルサル, 共同制作:Yuzu Productions / Arte France
映画トレイラー:https://vimeo.com/220434784

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             チラシ表(PDF)        チラシ裏(PDF)                             

主催:科学研究費研究「統治思想としてのオイコノミア:
   戦間期社会経済思想の複合的研究」(研究代表者:中山智香子)
共催:岡山大学文学部・プロジェクト研究「映像表現と人文学」
   カルチュラルスタディーズ学会/カルチュラル・タイフーン2017
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本