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住岡 恭子(すみおか・きょうこ)

教育分野(領域)

臨床心理学分野(精神分析的心理療法)

研究・教育のキーワード

精神分析的心理療法,現代クライン派,教育心理学,大学生の「なまけ」

研究者としての私

心理臨床においては特に現代クライン学派における大人の心理療法を専門として学びつづけています。クライン学派は精神分析の中でも特に、自分と相手とのこころの交流(転移-逆転移)から、クライエントのこころの最も深いところにある幼い部分を理解していく心理療法の実践と理論です。

また「心理-社会的猶予期間(モラトリアム)」である青年期を、「大学」という特別な場で過ごす意義について興味を持ち、これまで“大学生の無気力(なまけ)”や“大学生の心理的成長”、それを支える大学という場や教員との相互作用をテーマに教育心理学的な論文を書いてきました。

ゆくゆくは、大学教育という場で起こっている様々な心理的成長や心理的変化について、精神分析的知見と教育心理学的な観点を融合した論考をまとめたいという野望を持っています。

教育者としての私

もともとは教員学部の出身で、大学生の時には教育実習に行って小学校教諭の免許を取得しました。父親も学校の先生で、同級生の多くも先生として活躍しているので、自分のルーツは「教育」にあると思っています。

大学生を対象とした研究を通して、教育の場において教員と学生が相互に交流することの意義深さを感じています。青年期を生きる大学生にとって、「新しい対象 new object」としての大学教員の価値観や姿勢が、彼らの「同一化」や「モデリング」の対象となり、成長と個の確立に大きく寄与すると考えるからです。私自身も大学生の時に、何人もの素敵な「大学の先生」と出会い教わることで成長してきたという実感があり、彼らに憧れてこの世界に入ってきました。
ですので、常日頃からの学生との関係を大切にしたいと思っています(しばしば忙しくて学生と関わる時間が十分にとれず申し訳ないことも多いですが…)。学生と関わる際には、なるたけ自分を理想化しすぎず(いいカッコしすぎず)「生身の人間」としていられるように心がけています。

「教育」に手ごたえや意義を感じている一方で、教育実習に行った時に、教室にいて全体にかかわる教員では、どうしても子どもたちのこころの一部をみのがしてしまうのではないかとジレンマを感じていました。一人ひとりにもっと深く、こまやかに関わりたいというのが、心理臨床家の道を目指したきっかけです。

特に、現在私が学んでいる「精神分析」という心理臨床の理論と実践は、「現実」を生きていかなくてはいけない私たちが、つい見逃してしまったり、こころの奥でぺしゃんこにしてしまっていたりするさまざまな気持ちを、クライエントとセラピストが一緒になってひとつひとつ大事に拾い上げていく営みです。この丁寧な実践の作業にすっかり魅せられてしまっています。
自分のこころの中にある様々なものごとを、ごまかしたり、ぼやかしたり、かくしたりしないでひとつずつ考えていくということは、非常に骨の折れる仕事です。なかには見たくない、あるいはなかなか見えない部分もあるでしょう。それでも自分のこころについて考え続けるというプロセスを乗り越えることで、より自由に、自分らしく生きられるようになることをこれまでの実践のなかで実感しています。
ぜひ皆さんにも、私と一緒にこの学問と実践の面白さ、奥深さを知ってほしいと思っています。

私が書いたもの

住岡 恭子 (2019). 大学初年次生の「学生化」プロセス 京都文教大学臨床心理学部研究報告 
  11,3-16.
大西 恭子 (2016). 学業領域固有の知覚された無気力の探索的研究 教育心理学研究,64(3),
  340-351.
いずれも「大学生」の方々に協力していただいて書いた論文です。読んでいただくと、研究結果から普段の皆さんの大学での姿が連想されて色々面白い議論ができるのではないかと思います。

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