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岡山大学文学部講演会「『女性の貧困』を考える」を開催しました。

11月20日、岡山大学文学部では、文学部プロジェクト研究「貧困とマイノリティ/マージナリティ」主催として、丸山里美さん(立命館大学産業社会学部准教授)、豊田佳菜枝(特定非営利活動法人岡山・ホームレス支援きずな副理事長)さんをお招きして「講演『女性の貧困』を考える」を開催しました。当日は、女性ホームレスや女性の貧困について調査研究をされてきた丸山さんによる基調講演につづいて、岡山でホームレス支援に携わっている豊田さんからコメントをいただきました。当初の予想を大幅に上回る100名以上の方々にご来場いただいたため、席が足りなくなり皆様にご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。

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丸山さんは、性別役割分業が組み込まれた社会システムの中で女性は貧困に陥りやすく、また実際にも女性の貧困率は高いこと、一方でジェンダー化された福祉政策によって、女性は男性と比較してホームレスになることが少ないことを、図表やこれまでの調査データを用いてわかりやすく説明されました。その上で、こうした女性をとりまく現状は、女性の貧困が「世帯」に隠れていることを意味しており、いわば女性は「貧困にすらなれない」ということではないかと提起されました。
また豊田さんは、過去13年間におよぶホームレス支援活動のご経験やそこから見えてきた女性ホームレスの実状などについてお話しくださりました。その後はフロアからの質疑応答を行い、活発な意見交換が交わされました。

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この度は非常に多くの方々にご来場いただき、まことにありがとうございました。岡山大学文学部は、今後も学生・市民が集まり、今日的課題を共有し、語り合う場をもうけていく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。(文責:髙谷幸)