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東條 光彦(とうじょう・みつひこ)

教育分野(領域)

心理学・臨床心理学分野

研究・教育のキーワード

認知行動療法、自己効力感、感情労働、学校ストレス、思春期心身症

研究者としての私

「病は気から」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。心身の状態は心の持ちようによって変わることを表しています。このことは、研究方法が大変発達した現在では、単なる経験知としてでなく、科学的にも立証されてきています。現在私が専門としている認知行動療法という心理療法の考え方は、このような心の持ちよう(「認知」と呼ばれます)と人の適応との関係を使って支援をしていこうとするものです。私の研究のキーワードの多くは、この認知行動療法に関連していますが、この視点で仕事をするようになった経緯は、振り返ってみると次のようであったろうと思います。

私は、若いころ教育センターや児童相談所に勤務していました。いろいろな意味でうまくいっていない子どもの支援をしていく中で、単に現在見えている「問題」だけにかかわっているだけではうまくいかないという実感がありました。一時的にうまくいったように見えても、それが長続きしないという苦い経験したのです。そして、その経験は、学生時代に習った、行動の背景には「認知」が介在しているという考え方をもう一度勉強しなおすことですっきりと整理ができたのでした。ですから、冒頭にあげた認知行動療法の、「認知」の部分への私の関心は、心理学的実践現場から生まれたと言えるでしょう。そうした経緯からおわかりいただけると思うのですが、私は、必ずしも当初から研究者の道を志していたわけではなく、しかし臨床心理学的実践現場で感じる上記のような疑問を論文にしてきた結果、現在の仕事に行き着いたというのが実感です。

教育者としての私

研究テーマについて

上記のようなテーマに関心を持ってくれる人がいると嬉しいのですが、学部での学習の目標は、自ら課題を見出し、自ら学ぶという研究の基本姿勢を習得することにあります。したがって、私自身の研究と直接関係のないように見えるテーマでも、学生が関心を持って自主的に取り組みたいと考えるテーマについては、一緒に勉強していけるものもあると思っています。そして、研究の成果は、論文にしたり学会などで報告し、できるだけ世に出すことで多くの人の手助けになると考えています。そのため、良質なプレゼンテーションやディスカッションができるよう、修学や研究の指導を通じ指導をしていきます。

進路について

私は、長年臨床心理士の養成を行ってきました。そのため、私のゼミOBたちは、医療、福祉、教育、産業などの領域で臨床心理学的支援を生業としている人が多いです。一方、それらとは全く関係なく、IT企業の社長になったりミュージシャンになったりと独自の進歩を遂げた人もいます。心理学を学ぶことは、それ自体で十分に楽しいものです。卒業後直接仕事にしなくても、人生を十分実り多いものにしてくれることでしょう。

私の書いたもの

「セルフ・エフィカシーの臨床心理学」「60のケースから学ぶ認知行動療法」(いずれも北大路書房)は、認知行動療法の初学者にとって比較的読みやすいと思います。特に後者は、恩師の還暦記念に企画されたもので(60のケースを収録しています)、基礎理論から各領域の現状などが事例を交えて解説されており、少し学習の進んだ人にはよい教材になるはずです。

論文は日本認知・行動療法学会誌、日本カウンセリング学会誌、日本健康心理学会誌に、上記キー・ワードなどで掲載されています。

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