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堤 良一(つつみ・りょういち)

教育分野(領域)

言語学・現代日本語学分野(現代日本語学)・留学生担当

研究・教育のキーワード

日本語文法、日本語教育、指示詞、談話、フィラー、コミュニケーション、感情・評価的意味、プロフィシェンシー、OPI

研究者としての私

次の疑問に答えられるでしょうか?

a.日本語には指示詞は「こ・そ・あ」と3つあるのに英語ではthis/thatと2つしかないのはなぜ?

b.「太郎は水泳選手で県の代表選手に選ばれたこともある。太郎が川で溺れるだなんて信じられない。」なんとなく1つ目と2つ目のつながりがよくないのはなぜ?

c.小学5年生の生徒が、宿題を忘れた言い訳をするときに、「先生、実はソノー、昨日はちょっと忙しくて、マー、宿題ができていないんです」というのがおかしいのはなぜ?

d.留学生からのメール「先生、来週推薦状を書いてほしいんですが、いつ時間があるんですか?」が失礼なのはなぜ?

e.「そうだ!京都行こう」の、「そうだ」が指しているものを50字以内で答えなさい。

私は主に上のような疑問を解明するべく、研究しています。もし言語に指示詞がなかったら、何が困るのでしょうか。指示詞は言語の中で、どのような役割を果たしているのでしょうか。小学生が「ソノー・マー」と言わなさそうなのはどうしてなのでしょうか。ただ、「子供だから」というのでは研究ではありません。小学生にはする必要がない(あるいはできない)社会的、文化的な配慮のようなものがあって、それがことばの出てき方に影響を与えているかもしれません。言語学、日本語学はこのように、ことば自体がどのようにできていて、それがどのように社会と関わっているかを研究する分野です。

言語学や日本語学が発見したことを教育に応用して、どのように教えればよいかを考えるのが日本語教育学です。d.の留学生の発話はどこがどうしておかしいのでしょうか。そしてどのように教えればこのような間違いをしなくなるでしょうか。私はこのような問題について、意味論、談話、コミュニケーションなどの観点から研究をしています。

教育者としての私

考える、発言する、学び続ける。学生の間に身につけなければならないことはこの3つです。私の授業ではこの3つを養ってもらいたいと思っています。大学の授業は知識を身につけるだけではいけません。知識の吸収は主に自宅学習でなされるべきことです。自主的に学習し、身につけた知識をもとに、授業では自分の考えを皆に伝わるように述べることが肝要です。

先生が言っていることが常に正しいと思って、せっせとノートに書き込みなるほど~と頷くばかりではいけません。この先生の言っていることは本当に正しいか?別の方向で考えることだってできるのではないか?そのように批判的に考える力を養ってください。
文学部で学ぶ学問が役に立たないという声をよく聞きますが、それは間違っています。その言説にこそ批判的に検討を加えるべきであり、どのように役に立つのか、その答えを探すことこそが文学部での学びなのです。そのような姿勢を養ったあなた方なら、将来直面するであろう様々な問題に対して、自分にとって最も適切な答えを見つけ出すことができるに違いありません。

研究とは本来、「私が」知りたいことがある、というごく利己的な動機によって発動されるものです。「何の役に立つか?」ということが、研究する動機とは無縁であることは、歴史に名を残す科学者が異口同音に言っていることです。自分が知りたいことがある、知を渇望する、そのような学生さんに来てほしいと思います。そのような態度で学問に臨んだ学生さんが、社会に有用な発見をし、結局はよい職を得て、活躍しています。

私の授業を通して、人は一生、批判的に考え、発言し、そして学び続けなければならない生き物であるということが伝わればうれしく思います。

私が書いたもの

  1. 鎌田修・山内博之・堤良一(編著)『プロフィシェンシーと日本語教育』、2009年5月、ひつじ書房
  2. 堤良一・長谷川哲子(著)『「大学生」になるための日本語1,2』、2009年10月、ひつじ書房
  3. 堤良一(著)『現代日本語指示詞の総合的研究』(総ページ数241頁)、2012年2月、ココ出版
  4. 鎌田修・嶋田和子・堤良一(編著)『談話とプロフィシェンシー』2015年5月、凡人社

※大学院社会文化科学研究科に進学を希望しており、堤良一(日本語学・日本語教育学)の研究室を検討する場合は、以下のURLをよく読んでから連絡してくださいhttps://okadaitsutsumi.shiga-saku.net/ 

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