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清家 章(せいけ・あきら)

教育分野(領域)

歴史学・考古学分野(考古学)

研究・教育のキーワード

古墳時代、弥生時代、女性史、親族構造、副葬品、埋葬施設、埴輪、王陵、 邪馬台国、卑弥呼

研究者としての私

親族構造、言い換えると古代家族の研究や、日本列島における国家成立過程を研究しています。また、それらの分析を通して邪馬台国や卑弥呼の歴史上における位置づけを行う研究もしています。

考古学を専攻するきっかけは、大阪南部に住んでいたことと、時代劇などに関心があったことがあげられましょう。時代劇が好きでしたから、歴史関係図書を読み、お城や仏閣、遺跡を訪ね歩くようになりました。通学していた中学校から前方後円墳が見えるような環境でしたから、考古学に「ハマる」ことは自然な流れでした。大学に入って様々な発掘調査に参加し、ある遺跡で埴輪棺という埋葬施設を発掘しました。その埋葬から家族関係を考えるようになったのが、研究テーマのきっかけです。なかなか成果が上がりませんでしたが、努力していると報われるもので突然ひらめきが出て、苦労していた資料の解釈がスムースにできるようになりました。その後、異分野である人類学に出会い、人骨の分析を考古学に取り入れることを始め、さらに研究が進みました。大学院修了後に地方公務員を一時期していましたが、仕事帰りに立ち寄った図書館で女性史の本を手に取ったことも研究の方向性を決めるきっかけでした。25年前(今もそうですが)、女性史的視点を取り入れた考古学の研究が少ないことがその本で一目瞭然にわかりました。自分の目指す家族研究は女性史的視点が不可欠な分野でしたし、人骨の分析から被葬者の性別を判別することができます。自分の研究目標とスキルはこの分野に貢献できると考えました。その成果は2010年と2015年に刊行した拙著に結実し、自分で言うのは恥ずかしいですが、男性として初めて女性史学賞を受賞しました。

今後は親族構造の視点から古代王権の構造を解明していきたいと思っています。また、海外への情報発信も考えています。日本の考古学は独特でかつ進歩していますが、世界的に評価されていません。たいへんもったいないことです。世界の考古学と比較研究を進めながら、考古学の国際化を目指したいと思っています。

教育者としての私

大学の「学び」とは、発見あるいは発見する能力を獲得することです。高校生までの学習は基本的に教科書にかいてある内容を暗記することでした。数学でおいてすら、問題の解答法があります。ですが、大学では今わかっていない内容を、自分で資料を探し、あるいは実験や分析を行って自分で明らかにし、あるいは解決することが求められます。

ですから、大学では上記の能力を鍛えるような講義・演習が行われます。考古学の講義の中で私はとくに遺跡調査を重視しています。遺跡調査は考古学の技術を習得するだけでなく、上記の能力を獲得するのにうってつけだからです。調査の進め方には、もちろん基本的な流れと方法があります。しかし、教科書通りに調査が進むことはきわめてまれです。遺跡の形成過程が一様ではないからです。調査では学生さんと頭を悩ませながら、課題を解決していきます。そうして日々課題に取り組んで調査が終わったときの感慨は格別です。調査が終った時、学生さんの成長ぶりを私はいつも実感します。私は、これまで大学で30基近くの古墳を調査してきています。今後も続けていきたいと思います。

みなさんも岡大考古学研究室で、調査を経験してみませんか。

私が書いたもの

清家 章『卑弥呼と女性首長』(学生社、2015年)
原始・古代の中で邪馬台国の卑弥呼ほど、知られた女性はいないでしょう。その政治的性格を、女性考古学の視点で解明した書籍です。これまでの筆者の親族構造研究から卑弥呼擁立の背景を探りました。意表をつく視点での邪馬台国研究だと自負しています。かなり易しく書いたつもりですが、「難しい」という感想と「寝ころびながら読めた」という両方の感想がありました。

清家 章『古墳時代の埋葬原理と親族構造』(大阪大学出版会、2010年)
弥生時代後期から古墳時代の親族構造を、墳丘墓・古墳の埋葬施設・人骨から解き明かした一書です。双系的な日本社会で父系社会が生まれてくる過程を明らかにしました。内容はかなり難しいですが、古代女性史にも寄与する書として評価されています。

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