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戦争と人文学:「平和」のために何ができるのか? 映画「Little Birds~イラク 戦火の家族たち」上映会+トークセッションのご案内

映画や文学などの芸術は、つねに「戦争」を描いてきた。ほとんどの世代が戦争を知らないこの国で、いかに「戦争」を表現し、そのリアリティを伝えるのか。人文学には何ができるのか。イラク戦争のドキュメンタリー映画をとおして、学問/大学の役割を問いなおす。

日時:2016年7月26日(火) 17:30~20:00
場所:岡山大学津島キャンパス 文法経講義棟・20番教室

第I部  綿井健陽監督作品「Little Birds ~イラク 戦火の家族たち~」上映会

第II部 トークセッション:戦争を知らない世代が語り合う戦争と平和    
    ゲスト 藤原辰史(自由と平和のための京大有志の会・発起人)

※入場無料・申込み不要
(駐車券のご用意はありませんので、なるべく公共の交通機関をご利用ください)

主催:岡山大学文学部プロジェクト研究・映像表現と人文学
問い合わせ先:visualhumanities[@]gmail.com(松村)

戦争と人文学チラシ(PDF)

映画紹介 「Little Birds ~イラク 戦火の家族たち~」
米軍によるイラク侵攻が始まった2003年3月、ビデオジャーナリスト綿井 健陽はバグダッドにいた。「ニュースステーション」「NEWS23」などで精力的にイラクからの中継レポートを続けていた綿井健陽は、日本のマスメディア が引き上げていくなか、現地に留まり続ける。そして、約1年半の取材期間を費やし撮影された123時間余りの映像から、102分のドキュメンタリー映画を 完成させた。空爆で3人の子どもを奪われた父親アリ・サクバンと、クラスター爆弾によって右目を負傷した少女ハディールを軸に、バグダッド、アルグレイ ブ、サマワなどイラク各地を舞台に、戦火の中で懸命に生きる人びとの姿を丹念に紡ぐ。

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ゲスト紹介 藤原辰史 
京都大学人文科学研究所・准教授。専門は、食の思想史、農業史、ドイツ現代史。おもな著書に『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房、2005)(日本ドイツ学会奨励賞受賞)、『ナチスのキッチン』(水声社、2012)(河合隼雄学芸賞受賞)、『稲の大東亜共栄圏(吉川弘文館、2012)、『カブラの冬』(人文書院、2011)など。「自由と平和のための京大有志の会」の声明文を起草。

岡山大学文学部・プロジェクト研究「映像表現と人文学」について
写真や動画など映像表現が氾濫する21世紀において、「ことば」をもとに成立してきた人文学をいかに再構想するか。人文学のあらたな探究/表現の可能性を考える共同研究。「映像」を軸に、異なる専門分野のメンバーが学生と市民に開かれた実験的な企画を行う。