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桑原 晴子(くわばら・はるこ)

教育分野(領域)

臨床心理学分野(心理臨床学)

研究・教育のキーワード

心理臨床学,心理療法,箱庭療法,イメージ,身体

研究者としての私

心理臨床学的研究法には色々な研究法がありますが,私個人がこれまで大切にしてきたのは,他者との関係性を完全に切断することなく,その関係性を前提としたうえで成り立つ事例研究法という手法です。事例研究法には様々な批判を向けられることがありますが,無意識というこころのあり方,心理臨床においてどのようなことが生じているのかについて考えるうえでは,不可欠な研究方法だと考えています。研究法としても多様なあり方を含みこむのが心理臨床学,心理学としての深みであり,懐の深さであり,それがおもしろさだと考えています。これまでの研究テーマは,身体とイメージがどのように相互連関しているのかという点について,箱庭療法などの事例を通して考えてきました。クリアカットな言葉になりにくいようなこころの動きを,イメージを通して考えていくという,ある意味今の時流とは逆行するようなテーマをこれからも大切にして,研究を続けていきたいと思っています。

教育者としての私

これまでは臨床心理士の養成,これからは公認心理師と臨床心理士の養成を中心に携わっていきます。自分自身のアイデンティティはあくまでも「研究者」である以前に「心理臨床」に携わる人間であるということを大切に,院生さんたちに心理臨床の重み,魅力とその難しさについて伝えていけたらと思いながら仕事をしてきました。こころに携わるという仕事は決して生易しいものではなく,生や死というテーマを常に意識するようなある意味厳しい面があります。公認心理師や臨床心理士になるための専門教育訓練も,自分自身について理解を深めることが大前提で,自分の認めたくない部分に向き合う必要が出てきて落ち込んだり,悩んだり,苦しい時間を過ごすこともあるかと思います。ですが,同じ道を通っている(現在形なのはこのプロセスは一生続くからです)先輩として,心理臨床の道を目指そうとする文学部の学生さんが,自分なりの道を見つけられるのを見守ることができる教育者でありたい,というのが私の目標です。そのため,卒論では,学生さんが自分自身で考え,主体的に研究を行うことを重視した研究指導を行っています。

私が書いたもの

『よくわかる心理臨床』(皆藤章編著,ミネルヴァ書房,2007年)
臨床心理学の中でも心理臨床に重点をおいて執筆された教科書になります。私は第11章の「心理臨床の活動(2)病院臨床」を執筆しました。心理臨床を志すうえで大事にしてほしい基本を様々な執筆者が書いたオムニバス本になります。公認心理師が資格化され,転換点にある中,原点としての心理臨床とは,というテーマを考えるうえでおススメです。

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