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文学部プロジェクト研究「イメージの人文学」:幻のソ連映画アレクサンドル・メドヴェトキン『新しいモスクワ』(1938年)上映会(2/6)開催のご案内

1930年代後半、スターリンのモスクワ大改造計画によって、ロシアの古い都市は新生国家ソ連の壮麗な首都へと生まれ変わりつつあった。そのようなスターリンの新しいモスクワを礼讃するために製作されたのが、アレクサンドル・メドヴェトキン監督の映画『新しいモスクワ』(1938年)だった。メドヴェトキンは当時の最先端の特撮技術を駆使し、おとぎ話の世界のような、刻一刻と変貌する首都モスクワの姿を描きだした。しかし監督の意図とは裏腹に、本作は公開を目前にして上映を禁じられ、そのまま長い間忘れ去られることになる。数奇な運命をたどった『新しいモスクワ』(オリジナル日本語字幕版)を、今回西日本で初公開する。

【 日 時 】2020年2月6日(木) 16:00~18:30
【 場 所 】岡山大学津島キャンパス 文法経1号館2階 文学部会議室
【 対象者 】どなたでもご参加いただけます。
【申込方法】申込不要
【参加費用】無料
【 主 催 】文学部プロジェクト研究「イメージの人文学」


2月6日フライヤー(PDF)

『新しいモスクワ』あらすじ
主人公の青年アリョーシャは、故郷モスクワを離れシベリアの僻地で新しい街の建設に携わっていた。建設作業の傍ら、彼や彼の同僚たちは愛するモスクワを想って、そのミニチュア模型を制作する。古い街並みから現在の新しい街並みへと自動的に姿を変えていく彼らの模型は評判となり、モスクワで開催される博覧会で展示されることになった。
模型をもって祖母と共にシベリア鉄道でモスクワへと向かう途上、アリョーシャはモスクワ出身の美女ゾーヤ、養豚の研究をしている娘オーリャと出会う。美しいゾーヤに惹かれるアリョーシャだったが、モスクワに到着すると、そこにはゾーヤに恋する画家フェージャがいた。こうして、日々刻々と変化するモスクワの街並みを背景に、男女4人のコミカルな恋模様が展開されていく。

※古い映像のため見苦しい点がありますが、予めご了承ください。日本語字幕はKINØによるものです。

KINØ
文学、映画、演劇を専門とする三人の若手研究者(梶山祐治、伊藤愉、奈倉有里)による、知られざるソ連・ロシア映画を紹介上映するプロジェクト。
https://kin0blog.wordpress.com/

アレクサンドル・メドヴェトキン (1900-1989年)略歴
ロシア帝国ペンザ県の農民の家庭に生まれる。1917年に十月革命後が勃発し、国内が革命軍(赤軍)と反革命軍(白軍)に分かれて内戦状態になると、メドヴェトキンは赤軍に参加し、部隊内の演劇部門を指揮した。
内戦終結後は国営映画会社ソフキノに所属し、映画監督として活動を開始。1928年にスターリンの五カ年計画が始まると、「映画列車」を編成してソ連各地をめぐり、その場で映像を撮影・編集し上映するという試みを行った。
1934年には初の長編映画『幸福』を発表、セルゲイ・エイゼンシテインらソ連を代表する映画監督からも絶賛される。その後は『奇跡の娘』(1936年)、『新しいモスクワ』(1938年)を立て続けに製作するが、『新しいモスクワ』は厳しい批判を受けて上映禁止となった。
戦後は主としてドキュメンタリー作品を中心に手掛け、ソ連国内外で高い評価を得た。

お問い合わせ
 岡山大学文学部
 准教授 本田晃子
 E-mail:ahonda[@]okayama-u.ac.jp