公認心理師資格取得について

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公認心理師資格取得について

岡山大学文学部では,2019年度より公認心理師養成のための教育を行っています。

■公認心理師とは

公認心理師法に基づき,「国民の心の健康の保持増進」にかかわる心理専門職の国家資格です。心理に関する支援を要する方,その家族などの関係者の方に対して専門的援助を行うための国家資格になります。

公認心理師第2条で定められた業務は,以下の4つです。                ①心理に関する支援を要する者(要心理支援者)の心理状態を観察し,その結果を分析すること                                         ②要心理支援者に対し,その心理に関する相談に応じ,助言,指導,その他の援助を行うこと③要心理支援者の関係者に対し,その相談に応じ,助言,指導,その他の援助を行うこと  ④心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと

■公認心理師になるためには

公認心理師になるためには,大学学部段階で法定25科目を修得したうえで卒業したのち,(1)大学院に進学し,所定の科目を修得したうえで修了する            (2)所定の機関で所定の年数勤務し,実務経験を積む                 のいずれかで,国家試験を受験するための資格が得られます。そのうえで,国家試験を受験し,合格することで公認心理師になることができます。

(2)のルートは,所定の機関で就職できるかどうかに左右されるため,確実に受験資格が得られる(1)の大学院進学のルートが基本になるでしょう。

 岡山大学では,岡山大学文学部で,学部で修得が必要な25科目すべての単位をそろえることができます。

 その後,岡山大学大学院社会文化科学研究科(研究深化プログラム人間社会文化専攻心理学講座,もしくは高度人材育成プログラム人間社会文化専攻心理専門職養成プログラム)のルートで,公認心理師をめざすことができます(平成30年度(2018年度)から開設済み)

 また岡山大学大学院社会文化科学研究科では,引き続き「臨床心理士」養成も行っています。臨床心理士は,これまでスクールカウンセラーや,医療・福祉・教育・産業などの幅広い分野において心の問題に取り組む心理専門職の資格で,長年の実績をもっています(文部科学省の後援を受けた公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定)。

 これからは,国家資格である「公認心理師」と,臨床心理学的支援のスペシャリストとして長い実績がある「臨床心理士」の両方の資格をもつ人材が求められることが見込まれます。

 岡山大学文学部卒業後,岡山大学社会文化科学研究科に進学した場合,公認心理師と臨床心理士の両方の資格を目指せるのは,「研究深化プログラム人間社会文化専攻心理学講座」のみになります。(「高度人材育成プログラム」は,公認心理師資格のみを目指すコースになります。)将来のキャリア形成に有利な2つの資格を目指す「研究深化プログラム」を基本としており,在学生は全員が「研究深化プログラム」専攻になっています。

岡山大学では公認心理師になるための実習施設が充実しています

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■Q&A

(1)公認心理師と臨床心理士,どちらを目指せばよいのでしょうか?

 国家資格の公認心理師ができたことで,これから心理専門職の就職の際には,「公認心理師」の資格を持っていることが採用条件に入ってくると考えられます。その一方で,臨床心理士は,心理専門職としての非常に長い伝統と実績があり,今後多くの心理専門職は,公認心理師だけでなく,臨床心理士資格を持つことになると考えられます。そのため,岡山大学では,両方の資格を取得できるための教育課程を準備しています。                                               また,公認心理師と臨床心理士は,資格取得のための条件が異なります。公認心理師は,大学学部と大学院の両方で,それぞれ法に定められた所定の科目を修得することが必要になります。留意点としては,一旦大学を卒業してしまった後で,「科目等履修生」などの形で,足りない科目を修得して資格を目指す,ということは一切できないという点に注意が必要です(大学の正規の学部生として25科目全てを修得し,そののちに大学院で所定の科目を修得するということが求められています)。そのため,公認心理師については,学部の段階で資格取得を目指すかどうか,ある程度早い段階で意志を明確にし,計画的に履修していくことが求められます。その一方,臨床心理士は,学部での履修の有無には関わらず,大学院だけで目指すことができます。

(2)学費だけで公認心理師になることができますか?

 公認心理師になるためには,相当時間数の実習を履修することが必要になります。そのため,実習費が実費かかる場合があります。また,病院などに実習に行く際には,実習先の決まりに基づく,感染症対策(抗体検査やワクチンの接種)とその費用が必要になりますので,ご留意ください。